2010年10月10日日曜日

ウェブ社会をどう生きるか 西垣通

 情報学の教授から見たWeb2.0以降の社会とその社会でどのような方針を持って生きていくべきなのかを述べた本。いわるゆ団塊の世代の方なので、Web2.0の実態である集合知への期待を「ウェブ礼讃」といってシニカルに評価する。実際、ロングテールやフラット化、情報発信の民主化など、素敵だが「本当なの?」と訝しむ状況になってきた。Googleは本当に悪を働かないか?アマゾンが集合知を利用しているのは真にお客様本位の情報提供なのか、その裏に透けるものが見えてきてはいないか?
 2007年の時点で、このような本を書けた、その洞察に敬服した。
 今、メディア環境が大きく変わる、この時期に考える材料を与えてくれた本書は、僕にとって非常に役に立った。機械的情報と生命的情報を意識して区別すること、情報->知識が知恵へ変わるために必要とされるのは集積ではなくやはり生命。ただ、最終章辺りの展開「地域SNSが希望の星」「団塊の世代が世界を変える」といった展開には、ちょっと異論が。。。
 世代間対決したいわけではない、それぞれの世代には特有の感じ方や理想の実現手法の違いもあると。なにより、世の中を進化させたのも先輩世代なら、世の中を荒廃させたのも先輩世代なので、そのまま受け取るわけにはいかないな。と両者の中間世代の僕は思う。

  • ウェブ社会をどう生きるか 西垣通



 個人的には、無機的なインフォメーションよりは人間ぽい「メディア」に関心が移っており、いい時期に読めた。少し、西垣先生の本を継続して追っかけよう。

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